九九の歌
 1、 2の段の九九
  (1)2の倍数を言わせる
 下の図のように、ビー玉が10個ずつ入る穴のあいた板(底がある)を10枚作り、まず、図のようにビー玉を順次2個ずつ入れさせ、その合計数(ここでは集合数ということにする)を順次「2、4、6、……」と聞かせたり、言わせたりして、2の倍数の意味を、その操作の過程を通して感覚的につかませます。
 この場合、順次2個ずつ入れる時の数唱は、1は小声で2は大声で言い、1枚目に2個入ったことを確認させ、次に3は小声で4は大声で言い2枚目の板に4個入ったことを確認させます。このように、順次進め、10枚目には20個入ったことを確認させます。即ち、1〜20の順序数を使いながら、その時の区切り(最後)の数(この場合は2.4.6.8……)がこれまでの全部の数(集合数)であるという数概念の基本的な考え方を身につけさせていることになります。

 このようにして、順序数を手がかりにして、10枚の板にビー玉を2個ずつ入れながら数唱していると、慣れるにつれて「2.4.6.8……20」と集合数で言えるようになります。
  (2) 2の段の九九を言わせる
 1枚目の板に2個入れるときに「にいちがに」と言わせ、2枚目に2個入れるときに「ににんがし」と言わせ、同様にして「にさんがろく」……「にじゅうがにじゅう」と言わせます。
 次に、右側に、玉を入れる皿(容器)を用意し、1枚目の板を手にとって皿にビー玉を入れるときに、「にいちがに」、2枚目の玉を入れるときに「ににんがし」を言わせ、順次10枚目まで進めます(次の図を参照)。

 この場合、途中で指導者は皿を指さして、「今ここにいくつありますか」とたずね、児童は操作した板の枚数 (右側に積み重ねさせるとよい)から、5枚重なってる場合は「にごじゅう」と答えさせるたりすると効果的です。
 ここで唱えた九九を楽譜で示すと次のようです。

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2 5の段の九九
 5の倍数を言わせる
 2の段のときと同じように10穴の板10枚に、玉を5個ずつ入れながら、順次「5、10、15、20……50」と言わせます(次の図を参照)。



 次に、2の段の九九と同じようにして、5個の玉が入った板から皿に順次玉を入れながら、「ごいちがご」「ごにじゅう」……
「ごじゅうがごじゅう」まで言わせます。
 これを楽譜に示すと次のようです。

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3 3の段の九九
 前述の1,2と同じようにして、3の段の九九を展開します(下の図を参照)。

  3の段の九九の楽譜を示すと次のようです。


4 その他の段の九九
 その他の段の九九は、4の段、6の段、7の段、8の段、9の段、1の段の順に進めます。
 それぞれの段の九九の楽譜は次のようです。

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5 「何の何倍は何です」と言わせる
 (1)「5の3倍は15です」などと言

わせる。
 次のようなビー玉入れの収納箱を開き、まず、左側の10穴の板10枚にビー玉をを3個ずつ入れながら3の段の九九を言わせます

 そして、次の図のように、5個入った板を右側の箱(薄い箱:実は収納箱の蓋)に移しながら「5の1ばいは5です」→「5のにばいは10です」→「5の3ばいは15です」……「5の10ばいは50です」と言わせます。

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 この場合、例えば、「5の3ばいはごさんじゅご」と九九を唱えてから「5の3ばいは15です」と言わせるのも効果です。
 この言い方に慣れるまでは、次の楽譜のように「言葉の抑揚補助技法」で言わせるとうまく言えます。
 次の楽譜は9の段の例です。

 (2)九九の数図カードを使って
 次の図のような各段の九九カードを使って九九を言わせます。初めはカードの各段の初めから言わせますが、慣れてきたらカードをアトランダムに提示して言わせます。そのときも、「6の7ばいは47です」などと言わせます。

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 また、スムーズに言えない場合などには次の図のようにラとソで言葉の抑揚を補助して言わせると効果的です。

 

 (3)被乗数を変化させて
 次の図のように皿の数(乗数)を一定(このばあいは2)にして、いちごの数(被乗数)を2、3.4…と変化させて、「2の2ばいは4」「3の2ばいは6」「4の2ばいは8」…などと言わせます(被乗数と乗数を逆に言う場合があります)。また、「いちごが全部で4個あります」などと言わせます。

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 次は、乗数が3の場合です






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 (4)被乗数も乗数も変化させて





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 (5) 数図を使って




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 これを下の図のように提示して、「2の3倍は6、鳥が6羽います。」などと答えさせます。同様にして、「ねこが○匹います。」「犬が○匹います。」「凧が○個あります。」「かたつむりが○匹います。」「はちが○匹います。」「ボタンが○個あります。」「風船が○個あります。」「てんとうむしが○匹います。」などと言わせます。

 (5)文章題で

 次のような図を提示して、次のようにたずねて進めます。

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 「ケーキが全部でいくつありますか」などと問い、図を見て「6の6倍はろくろくさんじゅうろく。36個です。」などと答えさせます。
その他の図は同じ数を円で囲ませるなどし、九九を使って答えさせます。
 次に、前記の(3(4)および、この図を使って「2の2倍のときは2×2=4と書きます」などと言って×の記号を使った数式の指導をします。

 ※ 参考文献 学術論文 自閉症児に対する音楽を生かした九九の学習 堀田喜久男 
          日本バイオミュージック学会誌 1194 Vol.12














































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