② 他動詞構文(3語文) 「~が~を~する」

構文を作る多語文の歌
 
多語文に入ると文法をふまえた構文を作る多語文を考えなければなりません。
 
基本的な構文をふまえた多語文を体得することにより発話が進み豊かな言語表現に繋がるものと考えます。
 
文法をふまえた構文を作る多語文の構成は次のようです。

1 自動詞構文(2語文) 「~が~する」 例 犬が走っている 花が咲いている

2 他動詞構文(3語文) 「~が~を~する」 例 花子がまりをつく 太郎がたこを揚げる

3 存在についての構文(3語文) 「~に~がある、いる」 例 庭に雀がいます 庭に池があります

4 他動詞構文(4語文) 「~は~で~を~する」 例 太郎は網で魚をとった 花子は箸でそばを食べた

5 付着についての構文 「~は~を~に~する」 例 太郎は手紙をポストに入れました
                                 花子はりんごを頭にのせました

6 授受構文(1) 「~は~に~を~する」 例 風船屋さんは花子に風船を売った
                             郵便屋さんは太郎に手紙を渡した

7 授受構文(2) 「~は~から~を~する」 例 花子は風船屋さんから風船を買った
                              太郎は郵便屋さんから手紙を受け取った

8 能動=受動変換  例 太郎は花子をぶった=花子は太郎にぶたれた
                 お母さんは花子をしかった=花子はお母さんにしかられた

9 使役変換       例 馬は荷物を運んだ=犬は馬に荷物を運ばせた
                 赤ちゃんは歩いた=お母さんは赤ちゃんを歩かせた

10 やり、もらいの文の変換 例 お母さんは太郎にりんごをむいてあげた
                    =太郎はお母さんにりんごをむいてもらった
          お母さんは赤ちゃんに着物を着せてあげた=赤ちゃんはお母さんに着物をきせてもらった

11 受動形の理解 例 熊は犬をだいている=犬は熊にだかれている
               猫は犬の足をなめている=犬は猫に足をなめられている
導入

初めは左の図の□の中に入る動詞を考えさせ、「はしる」を引き出し

のように歌わせ、答えを覚えさせてから目的の2語文に導入します

 次は「はしる」は「はしっている」とも言うことを教え、


と歌わせます。そして、次のページの絵の下の楽譜のように歌わせます。
 
うまく歌えるようになったら、小節の区切りを考えずに、普通の話し
言葉のように「言葉の抑揚補助技法」を使って

と言わせます。


これができるようになったら「言葉の抑揚補助技法」なしで、話し言葉で「いぬがはしっている」と言わせます。    
 
 ◎この方法はこれ以降の展開に用いると効果的です。

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展開   (以下の図版は 幼児の文法能力:国立国語研究所報告 58から 転載許可取得済み)

➀ 自動詞構文(2語文) 「~が~する」

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③ 存在についての構文(3語文) 「~に~がある、いる」

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④ 他動詞構文(4語文) 「~は~で~を~する」  (④以下はすべて3.4語文です)

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⑤ 付着についての構文 「~は~を~に~する」

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⑥ 授受構文 (1) 「~は~に~を~する」

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  4語文を歌にする場合は、先ず後ろの2小節


 ♪あ、あ、あずけた、おかねをあずけた。と歌わ
せます。

 つづいて、「初めから歌うよ」と指示し「言葉の
抑揚補助技法」を使って

♪はなこは、おかあさんに、おかねをあずけた。
 (ラソソソ、 ソラソソソソ、 ソラララソラソソ。)

と歌わせ(言わせ)ます。

慣れてきたら、後ろの2小節を歌わず、初めから

言葉の抑揚補助技法で言わせます。最終的に

は普通の話し言葉の抑揚で自然な発語をさせま

す。




⑦ 授受構文 (2) 「~は~から~を~する」

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⑧ 能動=受動変換(能動文を受動文に変換する)


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⑨ 使役変換(使役文に作り変える)

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⑩ 補助動詞「あげる」「もらう」を利用した文の変換(やり・もらいの変換)

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⑪ 能動文、受動文の理解 (受動形の理解)

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◎ 軽度の自閉症児がここまで歌って、自然な抑揚で言えるようになった実例があります。

※ 以上の絵図は「幼児の文法能力」 国立国語研究所報告58 1977よりの転載です。転載許可取得済み。

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